Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
大谷 洋史; 水井 宏之; 東浦 則和; 坂東 文夫*; 遠藤 伸之*; 山岸 隆一郎*; 久米 恭*
平成25年度公益財団法人若狭湾エネルギー研究センター研究年報,16, P. 66, 2014/10
若狭湾エネルギー研究センターは、「ふげん」の受託研究として、イオン交換樹脂を減容安定化処理した後の残渣を用いたセメント混練固化に関する手法の調査及び試験を行い、以下の結果を得た。(1)粉砕による脱気処理を低減容処理灰化樹脂に施した上でセメント混練を行い、膨張の発生が無いことを確認するとともに、セメント混練固化体について各種試験を行い、均質・均一なセメント固化体が得られること及び強度条件も満足することを確認した。(2)脱気処理した低減容処理灰化樹脂を用いたセメント混練物に、化学混和剤(減水剤)を添加することで、流動性が25%以上増すことを確認した。(3)化学混和剤を添加したセメント混練固化体について各種試験を行い、均質・均一なセメント固化体が得られ、強度条件も満足することを確認した。(4)低減容処理灰化樹脂及びセメント混練固化体からの溶出試験を行い、各々、脱気処理及び化学混和剤添加による影響はないこと、セメント混練固化することによって溶出が抑制されることを確認した。以上の結果から、低減容処理灰化樹脂に対して粉砕による脱気処理及び化学混和剤の適用したセメント混練固化体は、廃棄体の技術要件を満たす見通しが得られた。
有阪 真*; 木村 貴海; 菅沼 英夫*; 吉田 善行
Radiochimica Acta, 89(8), p.593 - 598, 2001/08
被引用回数:11 パーセンタイル:61.99(Chemistry, Inorganic & Nuclear)f元素の陽イオン交換挙動におけるアルコールの役割について調べた。発光寿命測定による溶液及び樹脂中におけるM(III)[M=Eu, Cm]の内部水和数の決定、並びにそれらの分配係数の測定により、第1配位圏の水和状態と分配係数との相関について検討した。メタノール添加により、M(III)は溶液中の塩化物イオンに比べ樹脂中のスルホン基とより強く相互作用し、その結果、分配係数が増大することを明らかにした。
木村 貴海; 加藤 義春; 武石 秀世; 高橋 嘉夫*; 薬袋 佳孝*; Choppin, G. R.*
Proceedings of OECD/NEA Workshop on Evaluation of Speciation Technology, p.61 - 81, 1999/00
金属イオンの第1水和圏内の水分子数(内部水和数N)は、化学種の配位環境に関する分子レベルの情報を提供する。時間分解発光法を用いてIII価アクチノイドAn(III)[An=Am,Cm]及びランタノイドLn(III)[Ln=Nd,Sm,Eu,Tb,Dy]の発光寿命とHの相関を系統的に研究した。DO-HO混合溶液中のHOの濃度と1/の比例関係及びHO中におけるNの値から、測定によるHO評価のための相関関係を提案した。これらの関係をポリアミノポリカルボン酸錯体中のAn(III)とLn(III)の水和状態、陽イオン交換樹脂へのCm(III)とEu(III)の分離挙動、及びシリカ、粘土鉱物へのEu(III)の吸着挙動の研究に適用し、上記の方法が種々の環境におけるAn(III)及びLn(III)の化学種の解明に有効な手段であることを実証した。
杉原 陽一郎*; 二宮 一郎*; 向井 克之*
PNC TJ6357 98-002, 43 Pages, 1998/02
ラジウム吸着性能に優れたTi型吸着剤について詳細な製造方法を検討した。吸着剤の樹脂母体としては、吸着剤の水分率が50%程度になるポーラス型のイオン交換樹脂が処理性能の面で最も優れており、酸安定性を向上させる水熱処理条件は、95で1時間以上であった。通液条件については、通液速度、水温、ラジウム濃度、樹脂充填高の影響等について検討を行い、ラジウム吸着量は通液速度、樹脂充填高の影響が大きいことを明らかにした。繰り返し使用に関しては、吸着および塩酸-塩化マグネシウム混合液を使用した再生の過程で酸化剤、酸等の複合的な要因でラジウム吸着性能が低下し、再吸着するとラジウムが漏洩した。Ti-Zr型吸着剤は10-4Bq/mレベルの廃液を使用すると管理目標値を満足することができた。また、再生に塩酸と四塩化チタンの混合液を使用すると、10-3Bq/mの廃液を良好に処理できることが明らかになった。
木原 伸二; 矢幡 胤昭; 南条 篤史*; 高橋 孝三; 尾曽 智重*; 根本 俊行; 安藤 昇; 大久保 秀文*
JAERI-Research 97-037, 43 Pages, 1997/05
流動層と酸化銅触媒とを組み合わせた使用済イオン交換樹脂の焼却技術に係わる開発の一環として、コールド燃焼試験とホット燃焼試験を行った。コールド燃焼試験においては、樹脂を焼却した場合の減重比は約10,000であり、スス等の黒色未燃物だけを対象にすると100,000以上であった。ホット燃焼試験のうち、RIを吸着させた模擬廃樹脂を焼却した場合、焼却炉に投入されたRIの約10%が炉内の流動媒体に、約50%~70%が酸化銅触媒にそれぞれ付着し、約20%~40%が排ガス浄化系に移行した。JMTRの実廃樹脂を用いた場合の放射性物質の分布状況も模擬廃樹脂を燃焼した場合と同様であった。
杉原 陽一郎*; 向井 克之*; 二宮 一朗*
PNC TJ6357 97-001, 40 Pages, 1997/03
ダム廃水に含まれる微量のラジウムを対象として、高選択高性能ラジウム吸着剤の開発を行った。金属担持型の吸着剤数種を調整し、ラジウム吸着性能を比較した結果、従来のTi型吸着剤が最も優れていることが確認された。このためTi型吸着剤の詳細な製造条件の検討を実施した。吸着剤の母体としては、ポーラス型樹脂が廃水の処理速度の面でゲル型樹脂より優れていた。ポーラス型樹脂ベースのTi型吸着剤では、SV40の高流速条件下でも安定したラジウムの除去が可能で、破過容量も7500l/l-R以上であり、従来のゲル型と比べ3倍以上まで増加した。また、Ti型吸着剤を水熱処理することにより、吸着剤の酸安定性が著しく向上することを見出した。この結果、水熱処理した吸着剤の場合、脱離液として希塩酸とアリカリ土類金属塩の混合溶液を使用すると、Tiの溶出が1%以下になりラジウムを選択的に脱離することが可能となった。その他、ラジウムの吸着条件についても検討した結果、無機塩、pH及び通液速度の影響等が明らかとなった。
高橋 嘉夫*; 木村 貴海; 加藤 義春; 薬袋 佳考*; 富永 健*
Chemical Communications, (2), p.223 - 224, 1997/00
固液界面に吸着した金属イオンの化学種の構造に関しては、それに適用できる分析法が限られるために、未解明な点が多い。ここでは、初めての試みとして時間分解蛍光法をイオン交換樹脂に吸着したユウロピウム(III)の水和構造の研究に適用した。強酸性(スルホン酸系)及び弱酸性(アクリル酸系)イオン交換樹脂に吸着したEu(III)と、比較のために鎖状高分子のポリスチレンスルホン酸系及びポリアクリル酸系におけるEu(III)の水和数Nを測定した。強酸性樹脂にEu(III)はpH1で吸着され、7N8であった。ポリスチレンスルホン酸系ではほぼ9であるため、この違いは樹脂の網目状の骨格による効果と推定した。弱酸性樹脂にはpH4で吸着され、ポリアクリル酸系と同様に2.5N3.5であった。以上のように、水和数の直接決定により吸着機構の違いを定量的に証明することができた。
黒沢 明; 阿部 勝男; 神長 一博; 久野 祐輔; 鎌田 正行; 舛井 仁一
PNC TN8410 93-031, 191 Pages, 1993/03
再処理工場入量計量槽の保障措置として、現在、国およびIAEAによる試料の収去が行なわれているが、収去試料の輸送に当って、1バッチ当り、A型輸送容器一つを必要とするのが現状である。このような輸送問題を軽減するため、極微量の試料(ウラン・プルトニウム各数mg)で分析可能なレジンビード法が米国オークリッジ国立研究所を中心に開発された。この技術はTASTEX時代に導入され、その後JASPASの一つの開発項目として動燃事業団が主体となり、IAEAとの共同研究を続けているものである。これまで7回の共同実験が実施され、技術的にもある水準に達したと思われるが、また同時にレジンビード技術の難点も明らかになった。これらの共同実験では、動燃が試料の調整・輸送を担当し、IAEA側で分析するという形態をとっているが、これとは別に事業団としてレジンビード測定技術の検討も実施してきた。レジンビード技術は上記のように輸送上のメリットが最もクローズアップされているが、測定面においてもウラン・プルトニウムを分離することなく測定できるという利点もあり、施設側での分析法として開発・検討を進める必要があった。本報では、レジンビード法によるウラン・プルトニウムの測定技術について検討結果を報告するとともに、第3回から第7回まで行なわれたPNC-IAEA間共同実験結果についても合わせて報告する。
江川 博明*
PNC TJ6614 93-001, 32 Pages, 1993/03
高品位の可採ウラン量は限られているので、低品位ウラン鉱石資源の経済性、環境問題を考慮した処理プロセス及び廃水処理に係る技術の開発は重要な研究課題である。本研究はその一展開として、低品位ウラン鉱石を酸化雰囲気で硫酸法により加圧浸出して得られた浸出液からのウランの選択的分離・回収プロセスの開発を目的とする。前記浸出液は強酸性であり、ウランの他に多量のニッケル、ヒ素ならびに少量のモリブデン、鉄、アルミニウムなどを含んでいる。昨年度の研究成果を基に、本年度はホスホン酸基を有するキレート樹脂(RCSP)によるウランの分離・精製技術の確立を目的として詳細な検討を行った。また、ホスホン酸基と同様な化学的特性を有する新規なリン酸型樹脂(RGP)の合成を行って検討した。さらに、昨年度検討することができなかった陰イオン交換樹脂及びアルカリ添加沈澱法によるウランと他金属イオンとの分離についても検討した。RCSP、RGPを用いて、カラム操作によりウランの他金属からの分離を検討した結果、RCSP、RGPに浸出液中のヒ素、ニッケルは全く吸着されず、モリブデンは強く吸着された。鉄、アルミニウムは若干量吸着されるが、アルミニウムはより高選択的な金属(例えばウラン)により置換溶出されることが判った。RCSPとRGPではRCSPがより高い破過容量を示すことが認められた。次に、樹脂に吸着されたウランの溶離・回収について検討した。炭酸ナトリウム通液時の二酸化炭素ガス発生を抑制する目的で、まず1M水酸化ナトリウムで樹脂中の水素イオンを中和した後に、0.25M炭酸ナトリウムの通液を行った結果、ウランの回収率はRCSPで69.2%、RGPで72.1%であった。これは、水酸化ナトリウムを通液することでウランは樹脂内部で水酸化ウラニルとして沈着し、炭酸ナトリウムによる溶離・回収が困難になったためと考えられる。次に、水酸化ナトリウム通液を行わず、0.25M炭酸ナトリウムを樹脂容積の5倍量加えカラム中で振りまぜて、水素イオンを中和し、発生する炭酸ガスを除去した後、空間速度(SV)3h-1で吸引し、ひきつづき0.25M炭酸ナトリウム15倍量を通液してウランの溶離を試みた結果、ウランは100%回収できることが明らかになった。モリブデンは炭酸ナトリウム通液初期の段階でほぼ100%溶離(ウランと共存している)することが判っ
北野 光昭
PNC TN8600 92-011, 77 Pages, 1992/12
ベルギーモルにあるSCK/CEN(Studiecentrum voor Kernenergie/Centre d'Etude de l'Energie Nucleaire)に、1990年5月26日から1991年4月30日までの約11ヶ月間、廃棄物管理技術の調査習得を目的として長期出張した。モル研究所では、低レベル廃棄物(イオン交換樹脂、セメント固化体)溶解試験及び実ガラス固化体の浸出試験の研修を受けた。 純水と鉄(Fe/SUB2(SO/SUB4)SUB3)を使用してイオン交換樹脂の溶解試験を行った結果、99.7%以上の溶解率が得られた。また、実ガラス固化体の浸出試験では、COGEMAガラスについてMCC-1法及びMCC-5法による浸出試験を実施した。
木下 弘毅*; 平田 勝; 矢幡 胤昭
Journal of Nuclear Science and Technology, 28(8), p.739 - 747, 1991/08
流動層式焼却炉を用いてイオン交換樹脂の燃焼速度を把握した。本実験では、正確に秤量した陽イオンおよび陰イオン交換樹脂を550~750Cの間の一定温度に保持した流動層内に供給し、オフガス中のCO濃度をCO分析計により測定した。イオン交換樹脂の反応完了時間はCOの発生時間として求め、見掛けの反応速度定数を導出した。流動層式焼却炉を各種温度および流速にて運転することにより、イオン交換樹脂の燃焼条件として流動層温度650C空塔速度4.9110m・s以上が望ましいことを確認した。また、流動層温度650C、空塔速度5.4510m・sにおける陽イオンおよび陰イオン交換樹脂の見掛けの反応速度定数Kとして、それぞれ7.2510および8.7110kg・m・sを得た。本実験で得た見掛けの反応速度定数Kを用いることにより、スケールアップした装置におけるイオン交換樹脂の総括反応速度が推定可能である。
矢幡 胤昭; 木下 弘毅*; 平田 勝; 阿部 昌義
Proc. of the 3rd Int. Conf. on Nuclear Fuel Reprocessing and Waste Management; RECOD91,Vol. 2, p.790 - 795, 1991/00
流動層式焼却炉を用いてイオン交換樹脂の燃焼速度の解析を行った。実験では正確に秤量した陽イオンおよび陰イオン交換樹脂を550~700C間の一定温度に保持した流動層内に供給し、オフガス中のCO濃度をCO分析計により測定した。イオン交換樹脂の反応完了時間は、COの発生時間として求め、見掛けの反応速度定数を導出した。流動層式焼却炉を各種温度および流速にて運転することによりイオン交換樹脂の燃焼条件として流動層温度650C空塔速度4.9110m・s以上が望ましいことを確認した。本実験で得られた見掛けの反応速度定数Kapを用いることにより、スケールアップした装置におけるイオン交換樹脂の総括反応速度が推進出来るものと考える。
武石 秀世; 鈴木 敏夫; 磯 修一; 河野 信昭; 星野 昭; 米澤 仲四郎; 畠山 睦夫; 小森 卓二
JAERI-M 89-224, 45 Pages, 1990/01
原子炉の解体技術の確立に際して、原子炉構造材料の内蔵放射能を評価することは極めて重要であるとの見地から、評価において特に問題となるH,C,Pu,Cs,Cs,Eu,Eu等の長寿命核種の定量法を開発した。さらに、これらの方法をJPDRの生体遮蔽コンクリート、冷却水精製用イオン交換樹脂および燃料棒貯蔵用プール水の分析に適用し、その実存量を測定した。
木村 貴海; 小林 義威
Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 94(6), p.381 - 390, 1985/00
被引用回数:3 パーセンタイル:47.07(Chemistry, Analytical)イオン交換樹脂、ポリエチレン、ポリスチレンなどの可燃物試料中の放射体の破壊定量法を検討した。これらの試料は酸分解法により分解し、含まれる放射体は硫酸バリウム共沈方で回収し、線計数とスペクトルを測定して定量した。ウランを用いた実験では加えたウランの95%以上が全ての試料から回収された。さらに応用として使用済イオン交換樹脂を酸分解、Fe(III)触媒過酸化水素、燃焼による方法でそれぞれ分解し、放射体を定量した結果、測定値はそれぞれ実験誤差の範囲内で一致し、主要な放射体はプルトニウムであることがわかった。
久保田 益充
Journal of Radioanalytical Chemistry, 78(2), p.295 - 305, 1983/00
イオン交換樹脂は原子力分野で広く使用されている。本研究では陽イオン交換樹脂をFeイオン共存下で過酸化水素により分解する方法を検討した。この結果、分解反応は室温でも進行し、分解時間は過酸化水素の濃度を増加するよりもFeの濃度の増加によって大巾に短縮されることがわかった。またFeの触媒作用は硝酸濃度の増加によって抑制された。4gもの室内乾燥樹脂が8mlの30%過酸化水素水で分解できた。しかしながら,樹脂中の有機炭素を完全に二酸化炭素にするには約70mlの30%過酸化水素水を必要とした。分解後の溶液中に有機炭素が残らないことから、最終的な溶液の処分はかなり容易となろう。
藤根 幸雄; 斎藤 恵一朗; 柴 是行; 糸井 和明*
Sep.Sci.Technol., 17(13-14), p.1545 - 1563, 1983/00
連続式置換クロマトグラフィ用サーキットによるリチウム同位体分離実験を行い、その定常同位体濃度分布から分離性能を決める重要な因子の1つである理論段高さ(HETP)を求めた。そしてHETPと置換剤の流速および濃度との関係を得た。また、新しいHETPの推算式を誘導し、この式が、得られた実験値をよく説明することを示した。これにより、イオン交換樹脂中の拡散が2相間同位体交換反応の主要な抵抗となっていること、さらに、カラム内の液混合がHETPの値に強く影響していることをあきらかにした。
藤根 幸雄; 斎藤 恵一朗; 柴 是行
Sep.Sci.Technol., 18(1), p.15 - 31, 1983/00
被引用回数:16 パーセンタイル:77.49(Chemistry, Multidisciplinary)イオン交換法によるリチウム同位体分離における温度の効果および多孔性イオン交換樹脂を使用した場合の効果について検討した。同位体分離係数は、温度を上げることによって小さくなり、また、多孔性イオン交換樹脂の分離係数は、普通のゲルタイプ樹脂の分離係数と等しかった。しかし、置換クロマトグラフにおいては、吸着帯の単位長さあたりの同位体分離性能は、温度上昇および多孔性イオン交換樹脂を使うことにより改良された。これは、相間物質移動を速くしたことによりHETP(理論段高さ)が小さくなったためである。
松鶴 秀夫; 歳国 正美*; 山中 彰宏*; 森山 昇
JAERI-M 82-087, 19 Pages, 1982/07
粉末状陽イオン交換樹脂(PCH)のFe(II)を触媒とした過酸化水素による酸化分解を流通式の反応装置を用いて検討した。触媒の最適濃度は0.03M付近であり、これ以上の濃度では末溶解のPCHの残留量が増加する。一方、溶解した分解生成物の残留量は触媒濃度の増加に伴って減少する。過酸化水素の添加量を増加させるほどPCHの分解率は増加するが、理論添加量の1.8倍以上に増加させても分解率は顕著に増加せず、この程度の添加量で十分である事がわかった。この時の反応容器出口での分解率は約99%であった。
矢幡 胤昭; 阿部 治郎; 星野 昭
JAERI-M 9974, 14 Pages, 1982/02
放射性廃棄物の減容及びその安定貯蔵法を解決することは原子力を利用する上に極めて重要である。現在、イオン交換樹脂、塩化ビニルなどが放射性廃棄物として大量に発生しつつある。これらの物質は燃焼が困難なため、アスファルトなどを用いて固化し、ドラム缶に詰め保管している。これらの物質は燃焼し減容させることができるが、酸素量によって煤煙が発生したり、高温の発生で焼却炉材料を損傷し耐用年数が短縮する。また放射性物質の飛散などの欠点があり燃焼法は用いられていない。本実験は、これらの模擬試料を用い、酸素量と発熱及び燃焼速度の関係、熱分解で発生する煤煙の成分を調べた。この結果、酸素量が5%10%中で、樹脂などを約650Cに加熱し、発生した分解ガスを約700Cに加熱した酸化銅触媒に接触させることで完全に燃焼させることを見出した。
戸沢 誠一*; 森山 昇; 土尻 滋; 塩田 善孝*
Journal of Nuclear Science and Technology, 19(5), p.410 - 418, 1982/00
被引用回数:2 パーセンタイル:32.89(Nuclear Science & Technology)原子力発電所から発生する低中レベル放射性廃棄物の処理・処分のため、当所ではポリエチレン固化法を開発したが、フィルタースラッジや使用済イオン交換樹脂をポリエチレンで固化したものは、比重が1程度でセメント固化体の海洋投棄の基準の1.2に達しない。上記固化体の比重を1.2以上とするために、増重材としてBWRの濃縮廃液の主成分である硫酸ナトリウムを固化体に添加し、比重を1.2以上にした固化体の物性試験を行った。無水硫酸ナトリウムを固化体の比重が1.2以上になるように、36~38w/o混合したときの固化体の一軸圧縮強度は190~270Kg/cmであった。また、イオン交換水中に約400日浸漬した結果では、粉末イオン交換樹脂とフィルタースラッジの場合、体積・重量共10%以内の変化にとどまった。さらに固化体からのイオン交換水中におけるナトリウムの浸出は、2Cにおいて拡散係数で10~10cm/dayであり、ナトリウムの浸出量は極微量であった。